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【ハーバード大学名誉教授、比較動物学博物館・昆虫学名誉学芸員】
エドワード・O・ウイルソン
前半省略
近代人の誕生とはすなわち、約一万年前の農業の発明、そして、それに続いて集落や政治的な階層が形成されたときにほかならない。農耕文化が登場する前に、人類は狩猟技術を完成させ、地球上の最大の哺乳類や鳥類、いわゆるメガフアウナ(大型動物)のほとんどを絶滅させていた。それでも、植物におうわれた地表の大部分はまだ残つており、海は手つかずだつた。それ以後の経済史をひとことでまとめると、次のようになるーーー人間は考えられるすべての手段を用いて、地球の資源を富に変換した。
省略
世界経済が直面する危機の大半は、とどのつまり環境に由来するものである。たとえば、気象変動、環境汚染、水不足、生物種の絶滅、耕地の減少、石油資源の枯渇、いつまでも残る最貧困地域、パンデミツクの脅威、国内および国家間を危機に陥れかねないほど不均衡な資源分担などである。
不幸なことに、意思決定の責任を担う人びとは、これらの問題について、ある程度は理解はしているが、往々にして、それぞれ別個の問題として扱うことが多い。ところが、サツクスがいうように、このすべてが因果関係によつて結ばれていることを理解しないかぎり、どの問題一つにせよ、解決できる見込みはまずない。私たちは賢明になつて、人類が一つの生物種であることを肝に銘じ、これらの問題すべてに対して現実的かつ実用的なやり方で取り組まなければならない。
政界であれ、実業界であれ、またメディアであれ、私たちの指導者たちはなぜ、これらの断片をつなぎ合わせるのにそれほど時間がかかるのだろうか? ーーー後略
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