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この世界を救うことは可能だ。ただし、そのためにはまず、人類全体が直面する危機を正確に認識しなければならない。
それには、やみくもな競争をいつたん中断し、目の前にある共通の課題について調査することが必要になる。
いまの世界の環境、人口、経済のあり方は持続可能とはいえない。このまま「現状維持」を続ければ、社会と環境は危機的状況に陥り、悲惨な結果となるだろう。このような危機を招く要因は、以下の四つである。
・地球の生態系や気候に与える人類の圧力を大幅に軽減しない限り、危険な気候変動、多くの生物種の絶滅、重要な生態系の破滅をまねく。
・世界の人口は危険なほど早いペースで増加しつづけている。とくに、急増する人口を支えきれないような地域ほど、人口増加のペースが早い。
・世界人口の六分の一が極度の貧困にあること。彼らはグローバルな経済成長の恩恵から取り残されている。貧困の罠は、貧しい人びとを苦しめるだけでなく、世界中の人びとにとつて大きなリスクとなる。
・グローバルな問題を解決しようとするとき、シニカルな考え方や、敗北主義、時代遅れの制度のせいで、動きが取れなくなる。
こうした問題がおのずと解決されることはない。自由放任主義の市場原理や、競争にあけくれる国民国家のなかで、増加の一途をたどる悲惨な問題が自動的に解決されることはまずないのだ。世界各地で進行している急速な経済成長をこのまま見逃していたら、生態的な環境は改善されるどころか、悪化の一途をたどるだろう。それを防ぐには、積極的な公共政策によつて、省資源的な(つまり持続可能な)テクノロジーを導入し、成長の方向を転じなければならない。
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